第3回 K'S WORKSHOPリポート

第3回K'S WORKSHOP リポート

[K'S WORKSHOP 2006 - 現場人に学ぶ秘密のコミュニケーションスキル] 第3回
ゲスト:ER・テレホン・クリニック代表 広野優子さん

 2006年12月8日
 A/Z Books & Cafe(麹町)
 司会:菊地史彦(ケイズワーク)

第3回のゲストは、ER・テレフォンクリニック代表の広野優子さん。電話相談というお仕事を長年続けておられ、現在は小児科医の診療時間外電話相談をサポートする業務を自ら始めていらっしゃいます。

広野さんの豊富な経験と事例を元に、電話相談の歴史を紐解くところからワークショップはスタートしました。この30年間の変化を検証していくと、都市部への人口流入増加による対人コミュニケーションの減少という現実が浮かび上がってきます。地方から出てきて、便利な都会で暮らすものの、頼れる人もおらず、日々の生活の中で他社との関係が薄れ、人は「会話」というもっとも重要なコミュニケーションからかなり遠ざかってしまいました。

会話の内容ではなく、会話そのものを欲している現代人。まずはじっくり15分間相手の話を聞けば、大半の人は欲求が満たされて落ち着いてくる、と広野さんは言います。
締め切り、納期、ノルマといった期限に追いかけられ、気がつけば丸一日仕事以外の話をほとんどしていない、などということは現代に生きる社会人なら誰でもあることでしょう。だからこそ、他愛もないことを声に出し、相手の話にじっくりと耳を傾けることが、思いかけず「癒し」の効果を生むのかもしれません。
自分の話を聞いてくれる人間がいると認識することで、自分自身の存在を認識し、ほっと安心する...。
広野さんは「電話相談では受け手が間単に答えを出せない。こちらの価値観を変えなくてはならないこともある」とおっしゃいます。医者であれば患者に「風邪を引いたらこうしなさい」と言えますが、電話相談に決まった答はありません。矛盾だらけ、嘘だらけのお話でもうんうんとうなずきながら咀嚼し、相手がどういう状況かをおもんぱかり、その相手や場面にふさわしい対応をすることも必要。最適な答えを己の価値観を変えても出す。質問の内容は同じでも、相談相手によって答えは無限にあるのです。

来場されたお客様には児童教育やカウンセリングなどの仕事をされている方もおられ、質疑応答では熱心なディスカッションが交わされていました。

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